看護師の働く場の一つとして精神科のデイナイトケアがある。一般的にはデイケアなどの通所施設は高齢者向けの介護サービスという印象があるが、精神科のデイケアやデイナイトケアでは精神疾患を抱えたひとが社会復帰に備えて生活リズムを整え、コミュニケーション能力や社会的スキルを高める為に利用している。デイナイトケアで看護師の果たす役割は大きい。

デイナイトケアでは、看護師は血圧測定などのバイタルチェックはもちろんのこと、表情や何気ない仕草、会話の内容や声のトーンなど、細かな変化を観察し、利用者の心身の状態を判断する能力が求められる。しかし、監視するような厳しい視線を注ぐのは望ましくない。利用者が安心して過ごせるような和やかな雰囲気づくりが重要だ。

デイナイトケアの利用時間は長く、利用者と接する機会も多いため、医師にはなかなか伝えにくいことでも看護師になら話せるといった信頼関係ができることもある。自分を信頼してくれた利用者に寄り添いつつも距離感に気を付け、なれなれしすぎたり、友達感覚になってしまわないように、プロ意識を保った交流を心がけるべきである。また、デイナイトケアでは医師の他にも栄養士や作業療法士といった施設内外の多業種の人間と協働する為、割り振られた自分の仕事だけしていればよいという態度ではなく、常にチームワークを意識して行動する必要がある。コミュニケーション能力に自信がある人なら、自分の強みを活かせる場だといえるだろう。